なんか突然スカウトされまして…

地味な仕事で、水道メーターのチェックするバイトをしています。当たり前ですが給料がいいわけもないですよね。たまに求人応募しては高額バイトでなんとか生活費稼いで、その一ヶ月をなんとかする、という、かなりその場しのぎの暮らしを結構長く続けていました。

それでいつものようにその日も検針バイトしていたところ、お店のスタッフさんに声をかけられたんですよね。コーヒーを片手に、疲れてるならちょっと休憩していく？　と言われて、なんかすごい自然な感じで声をかけられたので、するするーと店内へ入っていきました。

それまでも何度もこの新宿のお店の検針はしていたのですが、実はその時点までここがボーイズバーであることを知りませんでした。自分の認識としては、本当に数多ある水道メーターのひとつという程度です。だから、休憩がてら話を聞いて、ヒマならたまのヘルプ的に入ってよ、とスカウトされたときには、「えっ」と正直驚きました。

悪い気はしないので働き始めたところ…

急なスカウトでびっくりしましたが、こういう類の仕事に誘われて、悪い気分はしません。それまでもちょこちょこと本業で足りない分のバイトをしていたわけだし、それがメンズバーになるだけだ、と思って、お誘いに乗り副業開始しました。

結果としてこの選択が正解でした。あのとき声をかけてたいただいたことが、転機になったと思います。いつまでも水道メーターばっかり見ていては到底見られないような世界や感じられないような刺激を体験できるうになりました。大満足です。それまでは若さの無駄遣いをしていたようなものです。

仕事内容はお店でお客様と一緒に話したり、あとは店外指名でデートしたりと、そういったものです。これが普通のデートと違うのは、お客様の経済力というか、お金持ち具合といいますか…自分の水道メーター検針のバイトの金では、まず一生縁がないようなレストランとか、隠れ家的なお店に連れて行ってくださるので、すごい！　と毎回驚くばかり。

もっともっと、という気持ちが出てきました

副業開始してから数ヶ月経ちます。まだ生活安定のために検針の仕事は捨てていませんが、それもそろそろいいかな、とまで思っています。このお店一本、それでなんとか生計を立てることができたら…。まず、半年までは今のバイト生活の収入アップという感覚で、ゆくゆくだんだんこちらの出勤のペースを上げてすーっと移行、みたいなイメージを持っています。

そういうわけで、これからもぜひお世話になりたいと思います。でも、いまだにわからないのですが、なぜあのとき僕に声をかけてくださったのでしょうか。なんとなく、という、本当にそんなものなのかもしれませんね。

もしかしたら、僕の中に何か適正を見出してくれたのかもしれませんが…ただメーターを覗くだけの地味すぎるヤツだった自分を人間扱いしてくださり、本当にうれしいです。ありがとうございました。